医療DXの推進に関する工程表の骨子案を確認、具体的な方向性を固める(政府)
2023/03/13
政府は3月8日、医療DX推進本部の幹事会を開催し、医療DXの推進に関する工程表の作成に向けた骨子案をもとに審議した。
工程表の骨子案は、政府が行う医療DXの取組に関して、その基本的な考え方及び具体的な施策内容を明らかにするとともに、その到達点を定めて、関係者との認識の共有を図りつつ、今後の進捗状況を確認していくための基礎となる。パブリックコメントを経て正式に決定する。
骨子案における具体的な施策及び到達点では、以下のポイントが整理された。
(1)マイナンバーカードと健康保険証の一体化の加速等
マイナンバーカードを健康保険証として利用するオンライン資格確認は、医療 DX の基盤であり、2023年4月に原則保険医療機関・薬局でオンライン資格確認に対応するとともに、訪問診療・訪問看護等、柔道整復師・あん摩マッサージ師・はり師・きゅう師等の施術所等でのオンライン資格確認の構築、マイナンバーカードのスマホ搭載によるスマートフォンでの健康保険証利用の仕組みの導入等の取組を進め、2024年秋に健康保険証の廃止を目指す。また、生活保護(医療扶助)でのオンライン資格確認を2023年度中に導入する。
(2)全国医療情報プラットフォームの構築
オンライン資格確認等システムを基盤として、概ね全ての医療機関・薬局に電子処方箋の実施を拡大していくととともに、全国の医療機関・薬局において、電子カルテ情報の一部の共有、閲覧を可能とする電子カルテ情報共有サービス(仮称)の構築に取り組む。当初は、3 文書・6 情報(診療情報提供書、退院時サマリー、健康診断結果報告書、傷病名、検査結果等)の共有から進め、順次、対象となる情報の範囲を拡大していく。医療機関・薬局における電子カルテ情報の共有を進めるため、医療機関における標準規格に対応した電子カルテの導入を推進する。併せて、標準規格に準拠したクラウドベースの電子カルテ(標準型電子カルテ)の整備を行っていく。
(3)診療報酬改定DX
マスタ及びそれを活用した電子点数表の改善・提供、診療報酬の算定と患者の窓口負担金計算を行うための全国統一の共通的な電子計算プログラムとして共通算定モジュールを開発・提供する。併せて、デジタル化に対応するため診療報酬点数表におけるルールの簡素化・明確化を図り、これらのマスタ、モジュールとの連携を前提とした標準型電子カルテの提供により、医療機関のシステムを抜本的にモダンシステム化していく。