全世代型社会保障の構築に向けた取組を整理した会議の報告書を公表(政府)
2022/12/19
政府は12月16日、全世代型社会保障構築会議を開催し、全世代型社会保障の構築に向けた取組を整理した全世代型社会保障構築会議の報告書を公表した。
我が国は、本格的な少子高齢化・人口減少時代を迎えようとしており、今はまさにそれに対処するために舵を切っていくべき重要な時期となっている。この転換期において、今後の人口動態の変化や経済社会の変容を見据えつつ、日本が目指すべき社会の姿を描くこと、そして、その実現に向けて社会保障政策が取り組むべき課題を総合的かつ明確に示すことは、極めて重要であり、「全世代型社会保障」の構築を通じて目指すべき社会の将来方向として、次の3つを明示した。
1.「少子化・人口減少」の流れを変える -子育て・若者世代への支援
2. これからも続く「超高齢社会」に備える -社会の持続可能性を高める対応の強化
3.「地域の支え合い」を強める -包括的なケアを提供する体制の整備
これら3つのポイントを整理していくと、最も緊急を要する取組は子育て・若者世代への支援を急速かつ強力に整備することであり、安心して子育てができる環境の整備が何よりも求められ、目指すべき社会の将来方向の第一であるとした。そして、大胆な少子化対策によって人口減少の流れを変えると同時に、これからも続く
超高齢社会に備えて、社会の持続可能性を高める対応を強化していかなければならず、働き方に中立的な社会保障制度を構築し、経済社会の支え手となる労働力を確保する必要がある。また、増加する社会保障給付について、負担能力に応じて、全ての世代で、公平に支え合う仕組みを早急に強化するとともに、給付と負担のバランスを確保していく必要がある。
さらに、医療や介護ニーズの増大や多様化する福祉ニーズの変化に的確に対応した医療・介護サービス提供体制の確立やデジタル技術の積極的な活用により、住民にとって使いやすく、かつ効率的にサービスが利用できる環境を整備することが重要だとした。
多様なニーズを有する人々を支える観点から、それぞれの地域において医療・介護・福祉をはじめとする包括的なケアを提供する体制の整備が求められる状況となっている。
上記の3つの目指すべき社会の将来方向を踏まえ、基本理念は以下の5点に集約した。基本理念に基づいた社会保障の構築は、国民一人ひとりが、互いにリスクに備え合い、社会に参加する個人として、それぞれの生き方を自ら選択することができ、その生き方が尊重される社会を創る上での不可欠な条件であるとした。
1.「将来世代」の安心を保障する
2. 能力に応じて、全世代が支え合う
3. 個人の幸福とともに、社会全体を幸福にする
4. 制度を支える人材やサービス提供体制を重視する
5. 社会保障のDX(デジタルトランスフォーメーション)に積極的に取り組む