薬価制度の課題は革新的な医薬品の迅速な導入・医薬品の安定供給・薬価差(厚労省)
2022/10/24
厚労省は10月21日、医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会を開催し、今後の検討に当たっての論点案をもとに審議した。論点案では、今後の薬価制度の在り方に関して、「革新的な医薬品の迅速な導入」「医薬品の安定供給」「薬価差」の3つの課題を整理した。
「革新的な医薬品の迅速な導入」では、先発企業が長期収載品から収益を得る構造から脱却し、新薬の研究開発への再投資を促進するための方策などの産業構造を起因とする課題のほか、再生医療等製品を含め新規モダリティ(治療手段)等のイノベーションや医薬品としての価値を踏まえた適切な薬価算定などの薬価制度を起因とする課題があるとした。
「医薬品の安定供給」においては、後発品メーカーにおける少量多品種の製造や、特許切れ直後の品目に偏った現在の収益構造や産業構造を起因とする課題のほか、最低薬価、不採算品再算定、基礎的医薬品等の必要な薬価を維持する仕組みについて、運用や制度の在り方などの薬価制度を起因とする課題があるとした。
「薬価差」に関しては、薬価差が生ずる構造を踏まえ、医薬品の取引条件や取引形態の違いを考慮した薬価改定のあり方が課題となっている点を確認した。