健保連はこのほど、2020年度 健保組合医療費の動向と調剤医療費の動向に関する調査の結果を公表した。

 

新型コロナ感染拡大による患者の受診控え等の影響を受け、2020年度は医療費総額が対前年度比▲4.8％の2,235億円減少するなど、2019年度までとは大きく異なる動きをした。診療区分別にみると、医科入院外が▲6.6％と大きく減少し、医科入院▲5.8％、調剤▲3.9％となった一方で、訪問看護療養費は21.1％の増加となった。

 

疾病 19 分類別１人当たり医療費の伸び率は、呼吸器系疾患が▲34.9％と大きく減少し、次いで耳・乳様突起疾患▲17.2％、感染症・寄生虫症▲16.2％と続いた。一方、増加が見られたのは皮膚・皮下組織疾患が 5.8％、次いで血液・造血器・免疫障害4.2％、神経系疾患3.3％と続いていた。

 

調剤医療費の動向では、対前年度比▲3.9％の減少となり、1人当たり調剤医療費は▲3.6％、受診率▲12.9％、処方せん1件当たり回数▲2.5％の減少となり、年齢階層別では0-4 歳（▲26.1％）と5-9 歳（▲15.4％）の減少が顕著だった。これに対し、処方せん1枚当たり調剤医療費は13.4％増、家族が17.3％と大きく増加し、単価は本人8,853円、家族6,961円となっていた。