オンライン服薬指導に係る改正薬機法の施行、患者の求めに応じて実施可能(厚労省)
2022/04/01
厚労省は3月31日、オンライン服薬指導に係る改正薬機法を施行した。
オンライン服薬指導については、映像及び音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることが可能な方法であって、患者の求めに応じて、その都度薬剤師の判断と責任に基づき、行うことができるようになった。
つまり、初回であっても、計画がなくとも、患者がオンライン診療をしていなくても、オンライン服薬指導ができるようになった訳である。
ただ、やむくもにできる訳ではなく、対面と同様に患者の服薬状況の把握できる場合が前提となっている。オンライン服薬指導を適切に行うことが困難であると判断し、対面での服薬指導を受けるよう促すことは薬剤師法(昭和35年法律第146号)第21条に規定する調剤応需義務に違反するものではないとされている。
そして、薬歴管理が適切に行われるために、オンライン服薬指導は、患者の意向の範 囲内で、かかりつけ薬剤師・薬局により行われることが望ましいと明示されている。
オンライン服薬指導の実施にあたり、「オンライン服薬指導を行うことの可否についての判断の基礎となる事項」と「オンライン服薬指導に係る情報の漏えい等の危険に関する事項」の必要事項を明らかにする必要がある。当該事項を明らかにするには、服薬指導に利用する情報通信機器やアプリケーション、当該薬局のホームページに表示する方法等による形が想定されている。
また、オンライン服薬指導等を行う旨を、薬局内の掲示やホームページへの掲載等を通じて、あらかじめ患者等に以下の内容を周知する必要がある。
ア)オンライン服薬指導の時間に関する事項(予約制等)
イ)オンライン服薬指導の方法(使用可能なソフトウェア、アプリケーション等)
ウ)薬剤の配送方法
エ)費用の支払方法(代金引換サービス、クレジットカード決済等)
情報セキュリティ・プライバシー・利用端末に関しては、オンライン服薬指導の実施における情報セキュリティ及びプライバシー保護等の観点から、医科の「オンライン診療の適切な実施に関する指針」の策定について」を参照し、必要な通信環境を確保する必要がある。
薬剤の交付に関しては、品質を確保した状態で速やかに患者に届けるため、調剤済みの薬剤の郵送又は配送を行う場合には、薬剤師による患者への直接の授与と同視しうる程度に、当該薬剤の品質の保持や、患者本人への授与等がなされることを確保するため、薬局開設者は、あらかじめ配送のための手順を定め、配送の際に必要な措置を講ずることが求められている。
なお、薬局は、薬剤の配送後、当該薬剤が確実に患者に授与されたことを電話等により確認しなければならない(配達業者の配達記録やアプリケーション等での受領確認、配達記録が記載されたメール等による確認も含む)。
処方箋の取扱いに関しては、処方医等が処方箋を発行した際に、患者から薬局に送付して欲しい旨の申出があった場合は、当該医療機関は、当該処方箋を当該薬局に直接送付することができるとされ、2023年1月の電子処方箋の運用を見据えた対応が可能となっている点に注目である。