がん患者の人生の最終段階で利用した医療や療養生活の実態の調査結果(がん研)
2022/03/29
国立がん研究センターは3月25日、がん患者の人生の最終段階で利用した医療や療養生活の実態を明らかにする全国調査の結果(54,167名回答)を集計し、報告書を公開した。
がん患者全体では、死亡時の年齢は80歳以上の割合が50.2%となり、半数以上を占めていた。患者背景として、患者ががんと診断されてから亡くなるまでの期間は1年以内と回答した割合は52.6%であった。
患者が死亡前1カ月間で日常生活動作に何らの介助が必要だったと回答した割合は78.4%、患者が認知症を併存していたと回答した割合は13.3%となっていた。患者が受けた医療の構造・プロセスにおいては、医療者は患者のつらい症状にすみやかに対応していたと回答した割合は82.4%、患者の不安や心配をやわらげるように、医師、看護師、介護職員は努めていたと回答した割合は82.2%だった。
患者の死亡前の療養生活の質においては、死亡前1カ月間は痛みが少なく過ごせたと回答した割合は47.2%、からだの苦痛が少なく過ごせたと回答した割合は41.5%であった。また、死亡前1週間の患者の苦痛症状に関して、強い痛みを感じていたと回答した割合は28.7%となっていた。痛みは患者の療養生活の質に影響する重要な要因であるため、改善を図る必要があるとした。