改定に係るこれまでの議論の整理を了承、2020年度指導・監査等の実施状況(厚労省)
2022/01/14
厚労省は1月14日、中医協総会を開催し、2022年度診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理を了承した。
新型コロナウイルス感染症等にも対応できる効率的・効果的で質の高い医療提供体制の構築に向けて、2022年度改定において新たな改定項目ごとに経過措置を設けることから、2020年度改定における経過措置を終了する点を確認した。また、地域の医療機関等が連携して実施する感染症対策を更に推進する観点から、外来診療時の感染防止対策に係る体制について新たな評価を行うとともに、感染防止対策加算について、名称、要件及び評価を見直すとした。
外来機能の明確化及び医療機関間の連携の推進においては、紹介状なしで受診した患者等から定額負担を徴収する責務がある医療機関の対象範囲を見直すとともに、当該医療機関における定額負担の対象患者について、その診療に係る保険給付範囲及び定額負担の額等を見直す点を確認し、新設する「紹介受診重点医療機関」における入院医療に対する新たな評価が検討されている。
慢性疾患を有する患者に対するかかりつけ医機能の評価においては、地域包括診療料等の対象疾患を見直すとともに、今般の成人に対する予防接種の増加を踏まえ、予防接種に関する相談への対応を要件に追加する。また、24時間の往診及び連絡体制の構築が要件である継続診療加算について、在宅療養支援診療所以外の診療所による在宅医療への参画を更に推進する観点から、継続診療加算の名称及び評価の在り方を見直す。
一定期間内に処方箋を反復利用できるリフィル処方に関しては、症状が安定している患者について、医師の処方により医師及び薬剤師の適切な連携で対応する仕組みとして、処方箋料の要件を見直すとした。
今回は、厚労大臣の中医協への諮問書も示され、この整理をベースに、個別改定項目の策定へと移行する見通しとなった。今後の改定スケジュールは、1月22日の公聴会に向けてパブリックメントを募集し、個別改定項目案を固めていく運びである。
1月下旬に個別改定項目案(点数なし短冊)、2月上旬にも個別改定項目(点数あり短冊)を答申する流れとなった。官報告示は例年通りに3月上旬に予定され、詳細な算定要件や施設基準が明らかになる。
この他、2020年度における保険医療機関等の指導・監査等の実施状況が示され、個別指導、新規個別指導、適時調査は対前年度に比べて大幅に実施件数が減少した。
保険医療機関等取消等状況では指定取消等の19件のうち8割弱が歯科となっていた。保険医療機関等の指定取消処分(指定取消相当を含む)の原因(不正内容)では、不正請求(架空請求、付増請求、振替請求、二重請求、その他の請求)がそのほとんどを占めた。指定取消処分(指定取消相当を含む)に係る端緒としては、保険者、医療機関従事者、医療費通知に基づく被保険者等からの通報が半数を占めていた。