政府は6月18日、「骨太方針」「成長戦略」「規制改革」「地方創生」に関する4つの計画や方針を臨時閣議で決定した。

 

これらの計画等では「デジタルトランスフォーメーション（DX）」の推進がすべてに盛り込まれ、医療分野のみならず、あらゆる分野においてデジタル技術の導入や活用が不可避となってきた。全世代社会保障改革は既定路線の維持、データヘルス改革は医療DXの推進が加速し、医療機関等の経営や運営にインパクトをもたらす可能性が高い点に留意しなければならない。

 

医療DXが推進される理由は、コロナ禍での緊急的な課題に対応するとともに、国民の健康増進やコロナ対策による意識･生活様式の変容等に対応し、医療サービスの効率化と質の向上、新たな産業の創出･発展につながることが期待されているからである。

 

医療DXのゴールは「民間PHRサービス」の利活用や「個別化医療」の提供による「健康寿命の延伸」であり、その推進には「オンライン資格確認」や「オンライン診療」が起点となっている。今回示された計画等ではその周辺のテコ入れが各種盛り込まれる形となった。

 

オンライン診療は0410対応の特例を恒久化して、2022年度から初診のオンライン診療は「かかりつけ医」による診療を原則とし、健康診断の結果などで患者の健康状態をあらかじめ把握できる場合に「かかりつけ医」以外でも対応可とする。今年度中に指針を改訂して新ルールが明文化される予定である。2022年度改定でいかに評価されるかが今後の審議動向の見所となる。

 

■関連サイト：

【骨太方針】経済財政運営と改革の基本方針2021

【成長戦略】成長戦略実行計画

【規制改革】規制改革実施計画

【地方創生】まち・ひと・しごと創生基本方針2021