医療的ケア児支援法が成立、医療的ケア児や家族の支援、相談体制を整備(参院)
2021/06/14
6月11日の参議院本会議において「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律(医療的ケア児支援法)」が可決され、今国会で成立した。
医療的ケア児支援法では、「医療的ケアは人工呼吸器による呼吸管理、喀痰吸引その他の医療行為」とされ、「医療的ケア児は日常生活及び社会生活を営むために恒常的に医療的ケアを受けることが不可欠である児童(18歳以上の高校生等を含む)」と定義された。
同法は、医療的ケア児の健やかな成長を図るとともに、その家族の離職の防止に資し、安心して子どもを生み、育てることができる社会の実現に寄与することを目的としている。
同法では、医療的ケア児の日常生活・社会生活を社会全体で支えることを規定し、国・自治体に対して医療的ケア児及び家族の日常生活における支援や相談体制の整備、医療的ケア児が在籍する保育所・学校等への支援、支援を行う人材の確保などの要請が可能となる。
医療技術の進歩に伴い、医療的ケア児は増加傾向にあり、約2万人と推計されている。医療的ケア児が成人となった後も適切なサービスを受けながら日常生活・社会生活を営むことができるよう、地方自治体や医療的ケア児支援センターが医療的ケア児の成人期への移行支援も求められている。
なお、医療的ケア児に対する支援においては、外出先で救急搬送された場合に、全国どこでも必要な医療を受けられるよう、救急隊員や搬送先の医療機関がデータベースを閲覧・共有できる「医療的ケア児等医療情報共有システム(MEIS)」が2020年7月から運用が開始されている。