プライマリ・ケアにおけるオンライン診療の手引きver1.0(日本プライマリ・ケア連合学会)
2020/05/21
日本プライマリ・ケア連合学会は5月20日、「プライマリ・ケアにおけるオンライン診療の手引き ver1.0」を公表した。
本手引きでは、今般の新型コロナ対応で特例的に認められている診療を「時限措置のオンライン診療」と位置づけ、現行の「平時のオンライン診療」と使い分けてポイントを整理した。
「時限措置のオンライン診療」で認められている患者IDのない初診患者への対応に関して、「平時のオンライン診療」の趣旨からはお勧めできず、特に主訴が急性症状のケースでは医療介入が遅れてしまう可能性があり、さらに慎重に対応する必要があるとした。
オンラインによる初診が許容されうるケースとしては、初診ではあるものの家族がかかりつけ患者で普段から付き添いをしており、医療機関との信頼関係が既に構築されているケースや、無症状時にオンライン登録をしておき、発熱時に医師による診断・治療・指導を自宅や職場から受けたい住民のケース、転居に伴い、診療情報提供書をもとに前医で処方されていた比較的安全な薬剤を、初診としてオンライン診療で継続処方するケースなどが考えられるとの見解を示した。
オンライン診療に適していない症状リストが示され、腹部/尿路症状、呼吸器症状、心症状、神経症状、婦人科、精神科、眼科、その他における具体的な症状が列挙されている。
同会では、4月30日に「新型コロナウイルス感染症 診療所・病院のプライマリ・ケア初期診療の手引き」のVersion 2.0を公開するなど、プライマリ・ケアに必要な最新情報を発信している。