結論から申し上げれば、偶発的な「後発医薬品への変更調剤は問題ない」と言えます。その理由は、物理的に「処方箋では患者の傷病名がわからない」からです。ただし、明らかに適応症の違いが分かる内容や状況なら、査定される可能性もありますので、ご留意ください。
厚労省では、今年4月から後発医薬品の使用促進につなげるため、一般名処方の推進をスタートさせましたが、支払基金の突合点検導入のタイミングで、兼ねてからグレーゾーンであった先発医薬品と後発医薬品の適応症の違いに関して、例外的に認める見解を示しています。
http://www.ssk.or.jp/pressrelease/pdf/pressrelease_258_20.pdf
さらに、支払基金における突合点検に関する医療機関向け資料では、「ジェネリック医薬品への変更調剤は除く」と明示しています。
http://www.ssk.or.jp/oshirase/totujyu_01.html
ただし、ピロリ菌の3剤併用の除菌療法に関しては、先発医薬品3剤セットの適応症であり、同類の後発医薬品3剤では適応がないため、査定されるものと判断します。
こういった動きに対して、後発医薬品対策として先発医薬品メーカーが適応症を追加取得してきたこれまでの努力を鑑み、製薬協では「これじゃまずいだろう」と申し出ています。
厚労省では逆に、後発医薬品メーカーに対して、先発医薬品と同等の適応を取得するよう呼びかけているのが、今の実情です。
一般名処方は、後発医薬品に変更して差し支えないことが基準になります。明白に薬物治療に影響を与えることが想定されれば、銘柄名処方をされた方がよいでしょう。