医薬品卸から購入する医療用医薬品の価格には消費税が含まれていますが、患者からは消費税を徴収できません。損をしている気がしますが、今後どうなるのでしょうか?
2015-02-02 00:00:00
消費税に関しては、平成29年4月に税率10%になることが決定されています。
現状を整理すると、保険調剤(社会保険)における消費税は非課税のため、患者負担には反映されていません。しかし、医薬品卸から購入する医療用医薬品には消費税が含まれています。
一見、薬局で負担した消費税が患者から徴収できないため、損をしているかのような構造になっていますが、「薬価請求>税込の医薬品購入代」になっていなければ損はないと言えます。通常、医薬品卸では「逆ザヤ」にならないように販売しているのが普通です。ご確認ください。
さて、税率が10%になった場合、どうなるのでしょうか?
国としては、患者の負担が増えることは避けたい事態のため、非課税からゼロ税率への変更を検討しています。ゼロ税率とは、患者の負担はないものの、課税事業が仕入れ控除をすることができる仕組みです。
留意しなければならない点は、ゼロ税率になれば、現行で消費税の課税事業所になっていない薬局が課税事業所となり、申告が必要になる可能性があるということです。
つまり、申告によって払い過ぎている消費税があれば還付(払戻し)を受けることができるようになる訳です。当然ながら、申告に関わる労力やコストはかかる場合もあります。
消費税は調剤報酬にも反映される重要な財源です。今後の動向に注視していきましょう。