大久保さんこの調査から見えてきた課題でもありますが、幹部ではなく一般社員からなるプロジェクトチームを作り、どのような人事評価が良いか考えています。こういう仕事をしているから、ここも評価対象に入れて欲しいといった話がでているようです。

佐藤素晴らしいですね。人事評価は会社が決めてそれに従うものだと思っている方が多いと思うのですが、それを現場のスタッフを巻き込んで作っていくというのは非常に面白い取り組みだと感じます。

大久保さん一人ひとりが色々な面で努力していると思いますので、単一的に我々が一般的な評価で見るのではなく、従業員が思っていること、力を入れていることも評価に入れていく方がよいと思っています。

佐藤現場のスタッフのよくある不満は、これだけやっているのに分かってくれないということです。そういった不満を少なくするためにはスタッフが参加してルールを決めて、共通理解のもとにそういう制度を運用していく、非常に大事な取り組みだと思います。いつ頃から新しい制度がスタートする予定ですか。

大久保さんまだ手をつけたばかりなので、おそらく1、2年はかかると思います。次回の改定くらいまでに、ある程度目途がつけば良いのかなと思います。

佐藤採用の現場でもお話ができそうですね。スタッフと共に作った人事制度なんだよと。すごいアピールになるような気がします。

大久保さんそうですね、自分で考えて自分で行動できる人でしょうか。皆がバラバラに考えて行動しても困るので、会社の倫理であるとか、方針や情報をしっかりと理解をして頂かなければいけないのですが、その中で自分が何を求められていて、どう行動したら良いか自分で分析して行動ができる人を求めたいですね。

佐藤言われたことをただやるだけであれば、機械がやれば良いですもんね。

大久保さん基礎的なことは教えますし、方向性の共有はします。その中で、主体的に動いてくれる人が理想ですね。

佐藤自分で考えて働ける人という話がありましたが、貴社では、ボトムアップの提案に、経営幹部としてどう対応することが多いのですか。

大久保さん現場から上がってくる意見は大切にしたいと考えていますが、まだまだ数は少ないです。

佐藤そこはこれからの課題ということですね。現場スタッフが経営に参画し、色々な意見を上げながら、共に健栄という会社を作っていくということが大事なんですね。

大久保さん現場に入れば、従業員と顔を合わせ、情報を必ず開示します。今会社はこういうことを行っているんだということを伝えています。これからも顔が見える関係作りを重視していきたいですね。

佐藤どういう方向に会社がいくのかが見えないと、現場で働く従業員はすごく不満と不安を抱えます。貴社ではそういう不満や不安を少なくするよう努めているんですね。

大久保さんそうですね、可能な限りの「見える化」を目指しています。

佐藤ここ、きみさらず店は、認知症カフェをオープンするなど新しい取り組みをされていますが、各地域でどんなことができるかと常に考えていますか？

大久保さんそうですね、私たちに何ができるのかと。地域性もありますしね。ここは広いスペースがあったのでカフェができました。当社のコンセプトは「あなたの街の健康発信基地」ですから、地域密着型が根幹です。その地域性に合わせて様々な事業を展開していければと考えています。

佐藤お忙しいところありがとうございました。

次ページからは、スタッフの方にお聞きします。