HMI-ES(薬局向け従業員満足度調査)2015年 認定薬局インタビュー株式会社 健栄(千葉県佐倉市)

千葉県、東京都、茨城県の1都2県で薬局23店舗を展開している株式会社健栄(従業員約180名の規模)。先日実施したHMI-ES(従業員満足度調査)において、総合満足度とロイヤルティ(帰属意識)とも非常に高いスコアが出て「働きやすい薬局」の認定を取得されました。
 
今回は取締役の大久保さん、薬剤師の齊藤さん、金田さんに、健栄という会社の魅力をお聞きしてきました。
 

インタビュアー 佐藤健太

柔軟な働き方が実現できる職場

佐藤昨年HMI-ESを実施して頂きましたが、貴社は非常に良いスコアで、「働きやすい薬局」に認定させて頂きました。貴社と同規模の20店舗以上のところにもこの調査を実施してもらっているのですが、貴社ほど良いスコアはでていません。

以前にも、従業員の離職率がとても低く、長く勤務している方が多いということをお聞きしておりましたが、その理由はなんでしょうか。
 

大久保さんそうですね、女性が多い薬局現場において柔軟な働き方の実現ができているところかもしれません。勤務地に関しては、自宅からの通勤範囲を考慮した中での異動はありますが、各自の希望を最大限考慮して行っています。子育てなど、自分の生活と仕事のバランスをとりながら働くことができるところが、長く勤められる理由でしょうか。

 

佐藤スタッフのプライベートと仕事の両立を考慮した人事異動や配置をずっとやってきたということでしょうか?

大久保さんスタッフの生活を考慮しているということは、会社としてはあまり言っていないところですが、結果的にそうなっているのだと思います。

佐藤しかしながら、実際にプライベート、子育て、主婦業との両立は簡単ではないと思います。人員に余裕がある会社であればそういうこともできますが、貴社のような規模であれば、人の確保も簡単ではないと推測します。それでも、働きやすい職場作りが実現できているというのは、互いに助け合うような風土がしっかりあるということなのではないでしょうか。

大久保さんそれはあると思いますね。それぞれが同じような体験をしてきている年代であれば、あの時は大変だったよね、じゃあ私が代わろうと、お互いを思いやる気持ちがあるんだと思います。

佐藤同じ職場で働く仲間を大事にしなくてはいけない、助け合いとか思いやりについて、特別な教育をされているのですか。

大久保さんこれは教育ということではなく、企業文化というか風土ではないかと思います。

佐藤そうですか、例えば採用活動の場で、一人ひとりが働きやすい職場作りを大事にしている会社だよということは言っていますか?

大久保さん「お互いにやりくりをしてシフトは組んでいますよ」というお話はさせて頂いていますね。あとは、現場レベルでコミュニケーションをとってもらってという形ですね。

佐藤これまでも色々と関わらせて頂く中で、貴社は研修を一生懸命やっている会社だなと感じています。研修は通常の業務ではなく別に存在するもので、平日を使うのであっても、業務上色々な影響も出てくると思うのですが、そういったところにスタッフの抵抗はないのですか?

大久保さんもちろん日曜日に研修をするということでやりくりがつかないとか、負担はあると思うのですが、研修をすることの意味や目的を理解してくれているので、その日だけは都合をつけてくれています。また、会社としても、日曜日の他に平日にもう一度同じ研修を行うなど、必ず2回開催するようにしています。都合のつく方で出て下さいということです。スタッフに出来る限り負担をかけないように対応しています。

佐藤なるほど、この日にやるから必ず都合をつけなさいというマネジメントではなくて、従業員に配慮するので、しっかり出て下さいというわけですね。ちなみに、研修をやる目的や意義はどのように伝えていますか?

大久保さん研修の内容にもよりますけど、まず薬局は患者さん・お客さんという、相手がいて成り立つ業態です。自己研鑽ももちろんありますが、それだけではなく、自分が得た知識をどのように相手に伝えればいいか、また、その知識をより良い方向にもっていくにはどうしたら良いのかを考えることが私達の仕事には必要なことです、というメッセージを伝えています。

佐藤今回の改定を受けて、薬局に求められることが変わってくると思います。当然現場の薬剤師や事務も仕事のやり方を変えていかなくてはいけないと思いますが、これからの厳しい経営環境を乗り切るためにどんなメッセージをスタッフに出していますか?

大久保さん薬剤師がこれからやらなければいけないことは、薬を数えて渡すのではなく、その先にあるアフターフォローをいかにしていくかということです。点数があるからやるのではなく、薬剤師がやること、薬局がやることをしっかり見つめ直して進んでいきましょうというメッセージですね。

佐藤地域から選ばれるために自分達の取組みをしっかりやっていく・・・ですね。

大久保さん地域に浸透するということは、そういうことだと思います。薬を渡して終わりではなく、問い合わせがあれば答えるし、在宅に行くということは患者さんのお宅が薬局になるわけです。どこに行っても薬剤師のやることは同じです。そういったことを続けていきながら、薬剤師さんがいるから安心ね、お薬のことやOTCのことも聞けるね、と患者さんに実感してもらいたいです。

株式会社 健栄
千葉県佐倉市鏑木町51番地
インタビュー先は、みずき薬局星久喜店(千葉県千葉市中央区星久喜町606-26)と
ファーマシーきみさらず(千葉県木更津市新田1-11-24)。
写真は取締役の大久保さん(左)と佐藤健太(右)