佐藤今回実施していただいたHMI-ESの結果は大変に素晴らしいものでした。ロイヤルティは、監修者である岡﨑光洋先生の社会薬学の研究時代から含め、貴社より高いスコアを記録した薬局がないほどです。多くのスタッフが貴社の強みとして「人間関係」を挙げていますが、実際の職場の雰囲気はいかがですか？

井口常務「職場の雰囲気をよくすることが管理者の一番の役割」という考えで組織運営をしています。忙しいときこそ面白い話をするとか、有給を取りづらい雰囲気を無くそうとか常に話をしています。そのため、大変良い雰囲気のもと運営できていると思います。

佐藤ところで、井口常務はなぜ今の会社に入社されたのですか？

井口常務私は元々MRだったのですが、薬局の現場をやってみたくてこの会社に入社しました。実家が不動産業を営んでいましたので、店舗開発にも興味がありました。弊社は、グループ企業の株式会社ナウ・クリエイションが不動産・建築に携わる会社であることから、土地と建物に関わることもでき、薬剤師としても働けることの両方を満たす職場だったことが理由です。

佐藤経営幹部としてスタッフにどのような指導をされているのですか？

井口常務現場スタッフと接する店長に指導することは、「一人ひとりに時間をかけてコミュニケーションをとっていこう」ということです。面談の場で個々の話を聞き、やりたいことが実現できるようにすることを大切にしています。嫌なことがあっても何か楽しいことがあれば乗り切れると思いますので、ストレス耐性をつけるという意味でも、スタッフがやりたいことや楽しいことをカタチにできる環境づくりを意識していますね。

佐藤一人ひとりのスタッフと細かくコミュニケーション・・・と言っても現実には店長は忙しいと思います。薬局組織の中には、責任を負いたくないという理由で管理薬剤師や店長をやりたくない、つまりマネジメントに携わりたくないという方も多いと耳にしますが、貴社ではいかがですか？

井口常務全くないわけではないですが、若いスタッフには将来店長を目指してもらうように話しています。店長には入社してしばらくしてから就くことができます。当社は、人材が育って初めて新しい店舗をつくっていく方針です。現在では、ほぼ2年に1店舗のペースで出店していますので、新しい店長が同様のペースで育っていることになります。

佐藤それはユニークな仕組みですね。組織運営上の秘密事項とかはないのですか？

井口常務特にないですね。むしろ秘密事項を聞くために参加してもらいたいと思うほどです。どんなことでも、幹部だけ知っているのではなく、みんなが知っていていいと思っています。ただ、店長が一番業務や患者さんのことを把握していて、権限もあるという組織をつくりたいと考えています。

佐藤HMI-ESの結果で「上司との人間関係」が上位にきている理由はそこにあるのですね。

井口常務そうかもしれません。もうひとつ、どんなに会社が大きくなっても本社機能はつくらないという社長の方針があります。私たち経営幹部も常時どこかの店舗で仕事をしています。私たちが現場に入ってコミュニケーションとることで、何かあればすぐ対応できる体制なのです。

田村さん現場の業務に関しては、店長に一番権限がありますので、店舗のやり方を私たちが覚え、店長の指示で動くという感じです（笑）。

佐藤HMI-ESの結果で「経営者との人間関係」や「他職種間の人間関係」の良さが出ているのは、会社の方針によるところが大きいのですね。ちなみに、社内で薬剤師を「〇〇先生」と呼んでいますか？

井口常務弊社では「さん」付けですね。先生と呼ぶことはないです。会社なので、職業は薬剤師ではなく会社員。免許の有無は関係なしです。