HMI-ES(薬局向け従業員満足度調査)2015年 認定薬局インタビュープライマリーファーマシー(神奈川県川崎市)

神奈川県川崎市で2店舗を展開しているプライマリーファーマシー。経営者の山村社長は(一社)保険薬局経営者連合会の会長でもあります。
先日実施したHMI-ES(従業員満足度調査)で、総合満足度とロイヤルティ(帰属意識)とも非常に高いスコアが出て「働きやすい薬局」の最高評価を取得。実際にスタッフの定着率も高く、かかりつけ薬局として地域での存在感を高めています。
今回は、一体感ある薬局作りを実践している秘訣を山村社長とスタッフの方々にお聞きしました。

インタビュアー 佐藤健太

薬局の強みはスタッフが定着していること

佐藤先ほど店舗に入ったとき、私が本日インタビューでお伺いすることがきちんと共有されていて、スタッフの皆様に温かく迎えて頂きました。しっかりとした組織だと実感しましたが、いつも誰にでもこのように丁寧に対応されているのですか?

山村社長もちろんです。広く考えれば業者の方もお客さんです。薬局に来た患者さんだけに気持ちの良い応対をするのではなく、薬局を訪れる全ての人と良い関係を築いていくことができればと思っています。

佐藤それは素晴らしいですね。HMI-ESの結果にもそういった会社の組織風土がよく出ていると思います。

山村社長例えばスタッフが朝起きて仕事にいくときに「いやだな、行きたくないなぁ」とか、「今日は○○さんがいるからいやだな」
と思うような薬局にしたくないと考えています。経営者として、スタッフのいろんな状況を察知し、組織の状態をシビアに観察しながら細かくケアするようにしています。だからスタッフとの何気ないコミュニケーションがとても大切だなと思っています。

佐藤なるほど、経営者の細かい気配りも重要ということですね。
私たちは様々な薬局を訪問しますが、その一瞬の雰囲気でどんな組織なのか、だいたい分かるものです。貴社は調査結果どおり、とても良い雰囲気ですね。

山村社長ありがとうございます。
飲食店でも同じですが、入った瞬間に感じる空気感って重要ですよね。お店に入っても誰も反応しないとか、店主とスタッフとかスタッフ同士の関係がギクシャクしているようでは、味が一流でも、居心地が良くないですからね。

佐藤そうですね。サービスは五感で味わうものですから、全てが患者さんの印象につながっていると考えるべきです。

山村社長同感です。サービスは五感で味わうということを、私も意識して経営しています。
例えば私の薬局の投薬カウンターは、以前は患者さんが立って説明を受けるという構造でした。今では、座ってお話しできる個室のような雰囲気のカウンターに改装した事で、患者さんはプライバシーに配慮されている安心感を感じるようになったのではないかと思いますし、同じような意図で待合と投薬カウンターのあるゾーンも分離しました。色調にも工夫しました。薬局は一般的にパステル調が多いですが、私の薬局は落ち着きのあるダークな色調にして、家具は英国のアンティークでまとめています。居心地の良い空間をつくりたいと考えての対応です。限られたスペースでも、やれるだけのことをやりたいのです。

佐藤確かにすごく居心地の良い空間になっていますね。店舗の設計に関することなども、スタッフに相談しながら進めているのですか?

山村社長もちろん経営サイドの強い思い入れはありますが、実は一番長く薬局にいるのはスタッフでもある訳ですから、スタッフの同意はとるようにしています。店舗の設計に限らず、スタッフに相談なく経営者が勝手にやるのはダメではないでしょうか。合意をとりながら進めることで、より職場に対する愛情も深くなるのだと思います。

佐藤その通りです。スタッフが参加して、みんなで薬局をつくっていくことが大切ですよね。

さて、今回実施していただいたHMI-ESは単なる従業員満足度調査ではなく、経営陣とスタッフが共通の物差しで会社を見つめ、より良い職場づくりのキッカケにしてほしいと私たちは考えています。そのあたりはいかがでしたか?

山村社長すごく良いきっかけになりました。また、調査の結果が出て終わりではなく、表彰までしていただけると社内でも話題になりますし、継続的に薬局を良くしていこうというキッカケを与えて頂いている感じです。今日のインタビューも正にそうですね。
細かい分析結果よりも、やること自体に意義があったと思っています。

佐藤それはとても嬉しいです。ぜひ職場のコミュニケーションに活かしてください。ところで、貴社の強みはどんなことでしょうか?

山村社長私の薬局の強みはスタッフが定着していることです。勤続年数が長い薬剤師が多く、その分患者さんとの接触も深くなり、患者さんの顔をみただけで家族構成がわかるとか、買い物をしていると患者さんから声をかけられるというスタッフが数多くいますから。
これは制度の話ではなく、真のかかりつけ薬局になっていく為に必要な素地なのではないかと考えています。薬局は地域住民と、血の通ったコミュニケーションを取ることが求められる業種です。これができるかどうかは、地域のこと、地域住民のことをいかに知っているかということに集約されると思います。

プライマリーファーマシー

神奈川県川崎市宮前区宮前平2丁目15-2
東急田園都市線 宮前平駅より徒歩1分
山村社長、水野さん(薬剤師)、山下さん(アシスタント)