2014年市場調査結果によると、電子カルテ市場は2018年に2013年比で673億円増の1,940億円に到達し、中でも病院向けが順調に伸びると予測されています。2013年における病院向け電子カルテの普及率は全体で約31.0%、大規模病院(400床以上、821施設)は約70.0%と高いものの、中規模病院(100〜399床、4562施設)は34.0%と低く、今後は中規模病院への普及が加速すると考えられます。
電子カルテ導入により、PCさえあれば場所を問わずにカルテを閲覧・入力できるため、職員間の情報共有が容易となり、医療安全の向上も図れます。また、カルテの保管庫や搬送業務が不要となり、今まで人が移動に費やしていた時間を本来の業務に充てることができるため、業務の効率化にもつながります。このほかにも判読不可能な文字が無くなる、レセプトのチェック機能が返戻を削減するなど多数のメリットがあります。
電子カルテ導入の際に最も懸念される事項は費用の問題です。病院の規模やベンダ、部門システムとの連動範囲によって変動はありますが、一般的な目安としては1床当たり100万円前後の費用と毎年数千万円の保守管理費用がかかります。このほかにも、システムの故障が発生すると診療に多大な影響を及ぼす点や個人情報の流出などセキュリティ管理上の問題があげられます。
これらのメリット・デメリットを十分に考慮して電子カルテ導入の検討を進めましょう。