患者さんが窓口などで、怒りもあらわにクレームを訴えることがありました。そのようなときの対応に、何かコツなどはありますか?
2007-11-15 00:00:00
怒りをあらわにした患者さんを目の前にした場合は、事前にそのようなケースへの対応を考えておかなければ、かえって火に油を注いでしまいます。
そうした場合の対応のポイントは3つあります。
一つ目は、まずは謝罪をし、共感を示すことです。相手は今まさに怒っているのです。そんな時に、いろいろ理屈をつけて弁解したり、原因を分析したりしても何の効果もありません。相手の言葉や内容を復唱するなどして、「そうですか、〜のようなことをされたのですね。不快な思いをさせてしまって、大変申し訳ありませんでした。」と謝罪をすることが、何も増して重要です。
二つ目は、場所、人を変えて対応することです。受付でクレームを受けたら、謝罪・共感を示した後で、より上位職の人間が別室にて対応する、などです。いったん火がついた怒りは、同じ場所で話を聞いている間はなかなか収まりません。別室などに案内し、じっくり話をきいてあげる状況を整えてあげつつ、本人に少し冷静になる時間を与えるのです。そして、より責任がある人間に担当を変えることで、“自分は大事にされている”という思いを抱いてもらいます。ただし、これが単純な“たらい回し”になっては当然いけません。あくまで、謝罪・共感を示した上で、誠実に話を聴く姿勢が、上位職にはより強く求められます。
三つ目は、事後速やかに状況を分析し、対応策を本人に伝えることです。その場での原因分析は何の効果もありませんが、以後同じような事態が起きないようにすることは当然必要です。患者さんに一度引き取って頂いた後に、速やかに状況を分析しなければなりません。そして、対応策が固まったら、その患者さんに「先日は申し訳ありませんでした。以後はこのような対策を取らせていただきます」などと電話などで伝えます。すると、「そこまでしてくれるのか」という気持ちになり、以前のマイナスイメージが一気にプラスへと変化するのです。
クレームへの対応は、その病院の評価を左右するといっても過言ではありません。慎重で誠実な対応を、院内の共通見解とともに徹底させる必要があると思います。