富永 敦子Atsuko Tominaga 医療経営研究所 取締役 薬局コンサルタント

誕生日/1959年10月16日

血液型/A型

主な資格

薬剤師
日本薬剤師研修センター 認定薬剤師
宮城県薬剤師会認定禁煙支援・指導薬剤師
NPO法人ふぁるま・ねっと・みやぎ理事
日本薬剤師会編集委員
宮城県薬剤師会理事
東北大学薬学部非常勤講師(薬学概論)
NPO法人医療教育研究所 薬剤師生涯研修担当講師

Message

これまで、製薬メーカーの研究員、医薬品卸の管理薬剤師、OTC薬の販売、病院薬剤師、薬局薬剤師と、薬剤師としてのあらゆる業務を経験。その経験を活かし、多角的な視点から、患者さんのために何ができるかを常に考えている。

現在は、調剤はもちろん予防の分野にも携わり、禁煙指導や食事・運動指導など、薬以外にも活躍の場を広げている。

薬の水先案内人~かかりつけ薬剤師入門~

2017.12.14
ある新聞社からの依頼で、12回シリーズの薬の水先案内人~かかりつけ薬剤師入門~というコラムを執筆した。

新聞社の方との打ち合わせの際に「薬局」についていろいろと質問を受けた。
身近な薬局というのはそんなこともしているんですか?知らなかった!
そこから知られていない「かかりつけ薬局」について記載を始めた。
そのコラムは、福井、富山、宮城、福島、長野、高知の新聞で取り扱っていただいた。

医師や薬剤師の仲間からも「読みましたよ」と言われる。
かかりつけ薬剤師の推進はこの先も進む。
実は知られていない「薬局薬剤師」の活躍。
患者さんが知っていると思うのだが、他団体からは今回の診療報酬でもたたかれるばかりで、実に残念。
コラムの第1回を紹介する。

〝薬の水先案内人~かかりつけ薬剤師入門〟①
◎あなたの「かかりつけ薬局」は?
=薬の管理は任せて=
 数年前のある日、老々介護をしている父に電話をしました。父は「何も心配ないよ」と言うけれど、実家に行くと「どっちの軟こうを塗ればいいの?」「血圧が100ないけど薬飲ませていいの?」と聞かれます。薬剤師であるわたしは「薬局でもらった説明書を見てよ」と言いながらも、軟こうの容器のふたや底、薬の袋に塗る部位や指示を書いたものです。
 当時80代後半だった父は、脳梗塞で体の自由が利かなくなった母を介護していました。母は内科や皮膚科、眼科にもかかり、父は何かあるたび母と病院に行き、薬はおのおのの病院近くの薬局でもらっていました。
 薬をきちんと飲ませているとの父の言葉とは裏腹に、なぜか薬は残ってたまっていく一方。なんとかできないものかと思う日々でした。
 昨年春「かかりつけ薬剤師制度」が始まりました。「自分の担当の薬剤師を決め、薬については全てその人に相談する」という制度です。薬を別々の薬局でもらっても、管理はかかりつけ薬剤師にしてもらいます。一人の薬剤師に継続的に管理してもらうことで、より薬を安全、適正に使用するというわけです。
 今では病院の診察後、薬局に行き、病院で出た処方箋を渡して薬をもらうことが当たり前です。ただ、おのおのの病院近くの薬局でもらうため、薬局を数カ所使う人も少なくありません。
 そもそも「医薬分業」は、患者さんが適切に薬を使うことが目的です。薬剤師は医師の処方が適正かどうか確認し薬を提供しますが、患者さんが複数の医療機関を受診している場合は、総合的に薬の使用状況を把握する必要があります。そのため「かかりつけ薬剤師制度」が誕生したのです。
 薬局の薬剤師はこれまでも患者さんが持参した処方箋を確認、必要なら医師に問い合わせもしてきました。患者さんに聞いておいたアレルギー歴や副作用情報、喫煙・飲酒状況、他病院の受診状況、併用薬などを照らし合わせ、その処方が適切かどうか確認します。
 これは、患者さん自身が納得して薬を服用することで、より薬の効果が上がり、万が一副作用が発生してもすぐ対処できるからです。使い方次第で効果が強くなったり、弱くなったりする薬もあります。健康食品や一般用医薬品と併用していいかどうかも重要です。
 自分の健康のため、ぜひ「かかりつけ薬剤師」を活用してください。(医療経営研究所研究員・富永敦子)

 とみなが・あつこ=1959年生まれ。水戸市出身。東北大薬学部卒。製薬会社や病院、薬局などを経て医療経営研究所入り。薬局経営や薬剤師の実務の指導に当たる。宮城県薬剤師会常任理事なども務める。(了)